輸送戦記 第3話 座学×エルフ×紅葉
夕食後の座学。
僕は仲良くなった松下と砂川と並んで座っていた。
「魔法の講義だそうだが、先生はエルフらしーぞ」
「まじ？松下！？」
「砂川よ…大マジだ」
「女性と聞いた。それも2人」
「どっから聞いたその話！」×2
「教官たちの話を立ち聞きして、な」
そう噂話をしていると教室に先生が入ってきた。その瞬間、僕たち3人は叫んでしまった。
「どうして！」
「エルフなのに！」
「ビキニアーマーじゃないの！」
輸送戦記？
第3話
座学×エルフ×紅葉
秋でもないのに紅葉が3つ見える。
正確には入ってきた2人の先生の1人…白を基調にしたスーツでピシっと決めた、セクシー系ダークエルフに力いっぱい平手打ちを食らった痕だ。 そのダークエルフが紹介を始めた。
「アタシがお前らに錬金術魔法を教えるルローネだ」
みんながどよめいた。
長身で、褐色の肌で、プラチナブロンドの長髪で、セクシーなお姉さま系美女。かつ魔法使い。そんなどこからどう見てもライトノベルのキャラクターにしか見えない女性が『先生』だから、どよめくなと言う方が無理だ。
「そしてこっちのちっちゃいのが…」
「ルローネ。ちっちゃい言わないで」
「悪ぃ。こっちが精霊魔法を教えるミランだ」
こっちは蒼を基調にしたスーツを着た、ロリ系白エルフが紹介されると、みんながまたどよめいた。
小柄で、色白で、ブロンドの長髪な、なんだかぽややんな印象があるロリっ娘。かつ魔法使い。そんなどこから見て（略）
そして…僕たち3人はまた叫んでしまっ た。
「どうして！」
「エルフなのに！」
「眼鏡っ娘なの！」
紅葉が3から6に増えた。けどそんな事を誰も気にせず教室で講義が始まった。
最初にエルフについての話から始まり、衝撃的だったのが…
「ふんどし＆ビキニアーマーなエルフは極少数派の部族のみであり、天然記念物モノらしい」という事だった。
それ以外にもこの世界で必ず遭遇する錬金術魔法・精霊魔法・その他の魔法について簡単なな説明があった。平たく言うと …
1.錬金術魔法は魔力を論理的に体系化して研究し、行使する魔法。
2. 精霊魔法は精霊に魔力を渡してお願いを聞いてもらう？魔法。
3.その他-神官が使用する神聖魔法やら何かに特化した専門魔法体系等が多数。
があるらしい。 さらに魔法の系統などで学派で争っていたり、異端扱いされて追放されたり、良識をどこかに置き忘れたような禁断の研究にふける魔導師といった暗黒面もしっかり説明された。
そうして授業時間の60分はあっという間に経った。
「それでは以上で講義を終わる」
「起立。礼」
「ありがとうございました」
全員、学生に戻ったような気分になってしまって思わず定番な挨拶をしてしまった。 それだけ講義が面白かったわけであるが。
当然その後のお喋りの話題は魔法についてのものが中心になったが、その前に全会一致 で決まった事がある。それは…ルローネ先生は「姐御」 ミラン先生は「ミランﾀﾝ」 と呼ぶ事だった。
後で本人の目の前でうっかり呼んでしまい、小一時間説教を食らうのは3日後の話。
輸送戦記第4話 えっ、銃ですか？ ええっ、魔法ですか？ に進む
